感動と喪失の合宿 「終期」
3日目の朝
本日の午前は自由時間。
自由
それはアメリカ独立戦争以来、人間の最も重要な尊厳として注目されてきた概念であり、
何かをする自由 つまり積極的自由と
何かをしない自由 つまり消極的自由に分かれる。
私は後者を選んだ。
知らないばばあが作った朝飯などには目もくれず惰眠をむさぼっていると、
キャッキャッ
キャッキャッ
こ、これは…
ビーチから聞こえる、怪しくも煌びやかな声…
ミツイ「…こ、こ、これは、せ、せ、先輩として、ふ、風紀が乱れてないかを…」
ニシオカ「…チェ、チェ、チェ、…チェケラッ!」
あわてて浜辺へ飛び出す!
これが自由!
これが積極的自由!
脱ぐ自由だ!
ヤマウラ「キャッキャッ」
タチバナ「キャッキャッ」
いや、お前らかい!!
ニシムラ「先輩方…。本丸はあっちでござんすよ。グヘヘ…。」
おおおおおおぉぉ!!
あ、あれはまさしくッ!
み
ず
え
フナコシ「…ん?うちの妹がどうかした?」
間違えました。
水着!
そう!
皮膚と接地している面積は下着と同じ、もしくはそれ以下にもかかわらず、水辺というフィールド内に限って羞恥心レベルを3段階も下げてくれる着脱可能な衣服のことですよ!
我らが誇る水着美女「キャッキャッ!」
おおーーーーーっ!
俺たちの愛する水着美女「キャッキャッ!」
オオーーーーッ!
ミキちゃん「水着持ってこなくてよかった。(ホッ)」
2日間の疲れを吹き飛ばした我々はその足で球場へ移動
合宿最後の野球だあーーー!
シャクさんが戦線離脱したことにより、
1、ウツノミヤteam対ニシオカteamというわけわからん構図
2、人数不足によりマネージャー全員参加
という事態が発生。
試合内容はまぁいつも通り打つ人は打って打たない人は打たないって感じでした。
ここで報告しておかなければいけないのはカオルちゃんが投ゴロダブルプレーと遊直ダブルプレーを披露して、ゲッツーロボの名を冠したこと、ソフトボール経験豊かなアユミちゃんがレフトフライを好捕して「10年早いんだよぉ!」と吠えたことぐらいでしょうか。
もはやどっちが勝ったかも覚えてないのでこれ以上は割愛。
(さすがにこの辺になると書くのしんどくなってきたよ♡)
合宿最後の野球を終え、達成感と虚無感に包まれながらホテルへ帰還。
おかわり「うほほーい!腹減ったー!ご飯だご飯―!」
合宿でもいまいちキャラクターがはっきりしなかったので、安直に食いしん坊キャラにさせられるおかわり。
ガラガラ
夕食の会場で待ち伏せていたのはあの男!
シャク「あ、お疲れさん。」
体力の消耗と野球ができない精神的ショックでポリゴン化していたシャク。
しかし、あまりのクオリティに誰も異変に気付かない。
モリ「お、お前、もう大丈夫なんか。」
シャク「まぁ、なんとか。」
明らかに大丈夫じゃない2頭身の大魔王。
これならいける…!
これなら大丈夫…!
夕食後
タチバナ「うわぁぁあああーー」
ヤマグチ「うひょーーーー」
イケダ「きょえーーーー」
そこにはアホみたいに騒ぐホトケメンバーの姿が!
そのなかの一人にインタビューしてみた。
ゲバシャ「いやぁー、シャクが弱っててくれて助かりました。なんせこうやってハメを外して楽しくはしゃげるんですからね。」
そう3日目の夜は宴会だったのだ。
ただ
「宴会中は水分とるな」
「宴会中に歯を見せるな」
「宴会中はずっと声だしとけ」
といった時代遅れな指導方針により悪魔の宴会となりそうであったところが、
上述のアクシデントにより通常の宴会になったため、ホトケメンバーは歓喜の輪にいたのである。
その結果
ガチホモサークルに恥じない乱れっぷり
可愛く変身したイケダと真っ白妖怪にされたニシオカ
多重影分身を覚えた下忍
その他、公共の電波には載せられない酒池肉林が繰り広げられる。
(主にジョーザキを中心とする)
たいして酒が強くないのに、この期とばかりにグビグビと酒に溺れる阿呆ども。
あー、これはやっちまった…
強盗?強姦?殺人?
なにかしらの事件が発生するのは目に見えてるな。
サークル活動は謹慎、いや解体か…
そもそも退学処分まであるぞ…
ああ、野球、楽しかったなぁ…
フルタ「…な、なぁ、直接さわっていいかな?///」
ドイ「え!?、ちょちょ、それは、やめてほしい…///」
ほら、始まった!!
もう終わりだーーー!!
はい!そこまで!!(低音ボイス)
??
もちろんギータカ「もう時間やから!これで解散!あざーした!!(さらに低音)」
え?なんで正気を保ってんの?
彼女の足元には海辺の軍手のように散らばった無数の空カン空きビン
継承者マユハ「ほら!さっさと帰れよ!」
え?継承者やのにこっちは酔ってんの?
レディース二人組の登場で全員の酔いは瞬時に冷め、大人しく部屋へ帰る臆病者たち。
よかったなぁ…
これでまた野球ができるで
よかったなぁ…
3日目ともなると硬い寝具にも文句を言わず夜を明かすのでした。
最終日の朝
ついに帰りの時が訪れました。
サトウ「あー、遂に今日で最後か…」
満足感と喪失感を抱きつつバスへ乗り込む一同。
一様に笑顔が並んでいるものの、どこか悲しげなその表情
ミサコちゃん「まだ終わりじゃないですよ。最後の目的地、伊勢神宮で思いっきり楽しんで帰りましょう!」
伊勢神宮へ着いた我々は各自観光と食事を楽しむことに。
さんさんと照りつける太陽、残暑の厳しさに思わず「あち〜〜…」「涼しい所ないんかえ〜?」と文句を言いたくなるも、今日は合宿の最終日。
そんな野暮なことはしませんよ。(ほんまはめっちゃ言ってた)
広大な敷地の伊勢神宮、お参りするにも食事するにも辿り着くのに一苦労、思わず「しんど〜…」「バスで休憩してていい〜?」と文句を言いたくなるも、今日は合宿の最終日。
そんな野暮なことはしませんよ。(ほんまはめっちゃ言ってた)
あ〜、ここの神さんに挨拶したらもう終わりなんやな。
この楽しいひと時が終わってしまうんやな。
それやったらいっそお参りなんてしたくねえよ。
なにが神様や。誰に許可もらってんねん。
しかし、現実は残酷。
そんなことを思っている間に目の前は天照大神(あまてらすおおみかみ)が…
ふと、目を閉じて手を合わす…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
いや、別に俺はあんたが偉い神様であろうとなんだろうとお祈りする気はないですから。
ただ、後ろに並んでるジジイやババアが急かすような眼で睨んでくるからこうしてるだけっす。
てか別に、あんたに恩とかもないし。
そもそもほんまに神様なんやったら、シャクとかイケちゃんとか酷い目にあわせんなよ。
シャクとかこの合宿のためにめっちゃ働いてくれたし、誰にも知られてないところで面倒なことも背負ってたはずやん。
イケちゃんだって体育館でずっと卓球ばっかりしたいわけちゃうかったやろ。
最終日も全員で野球したかったのによ。
ちゃんと働けよ神様。
あとさぁ、いまだにミツイとか俺とかが主軸に座ってるってどうなんよ?
もうちょっと主力以外の2回生にも力を与えたってぇな。
俺らみたいな性格悪い先輩を受け入れてくれるし、あいつらめっちゃええ奴やねん。
あいつらおらんかったら俺の大学生活なんて完全に終わってたからな。
あと、あいつら新歓もめっちゃ頑張ってたで。
それやのに選手が5人ほどしか入らんって嫌がらせかよ。
去年は上手くいき過ぎてたから、今年は失敗するやろなぁとは思ってたけどな。
さすがにちょっと少なくね?
てかそいつらも変な奴ばっかやしよ。
でもなんか、やっぱりええ奴ばっかりやねん。
大人しい奴らと調子乗った奴と二極化してるけど、それがなんかおもろいやん。
もっとホトケに溶け込んで仲良くしたいわ。
逆に女マネは多すぎな。
あんなに女の子いたら今までのホトケじゃなくなってまうわ。
男ばっかりでこそこそやってたのに急に煌びやかな雰囲気になってもて。
なんか意外と楽しいとか思ってまうやん。
こんなんもアリやな〜とか思ってまうやん。
俺らみたいなんがアホなことやってるのを見て喜んでくれるとかマジ天使〜、とか思ってまうやん。
正直、去年の合宿がめっちゃ面白かったから、今年はそれには劣るやろって思っててん。
でも、もっと楽しなったやん。
てかなんなん!
このサークルどんだけ楽しいねん!
最高やん!
一生一緒にいてくれや!って三木道三みたいになってまうやん!
神様!
ほんまありがとうな!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ニシオカ「ってお祈りした!俺ってめっちゃええ奴やろ///」
なっちゃん「氏ね(^ω^)」
おわり