京都からインドへ… 新たなる旅立ち 〜Gandhara〜

野球で30単位ぐらいくれや(ミツイ・ニシオカ)



よっしゃーーー!!




ほんの1年前…
京都には、勝利に歓喜するホトケナインのそんな雄叫びが響き渡っていた。
しかし、



ミツイ「よっしゃー!!京都大学法科大学院、合格ゥ!」

ニシオカ「よっしゃー!!内定ゲット!就活、完ッ!」



野球しか頭になかったこの2人が、今や進学や就職に没頭しなければならないことに幾ばくかの悲哀を感じざるを得ない。

経済成長、格差社会、TPP参加

この社会に意味なんてあるのだろうか。
我々は社会に出て何を成し、何を残すべきなのだろうか…
生きるって何なんだろう…

思いを馳せればキリがないが、何はともあれホトケのレジェンドたちが人生の試練をまた1つ乗り越えたことは、祝福に値する。




めでたい!



実にめでたいなぁ!!



ハッハッハッハッハ!!








京都大学法学部教務掛「ミツイ君あと30単位。ニシオカ君あと32単位。」











これが4年生に課せられる単位数なのか!?


今までの3年間は何をしていたんだ!?












ニシオカ「こ、こうなったら…!」

ミツイ「そ…、そうやな!」




ミツオカカレー食べるで!!」




ホトケカレー部始動!!




<ナレ(垂水勉)>
たった半年で30単位…
ほぼ不可能といえるその数字をカレーのパワーでぶっ壊す。
あまりに無謀ともいえるその提案に唖然とする国分と城島…
史上まれにみる前途多難なスタートを切ったホトケカレー部



いったい、どうなってしまうのか!!







カレーの燃えるような辛さは‘火’曜日
それに飲まれぬ冷静さは‘河原’町今出‘川’


毎週火曜日正午、ナマステタージマハル河原町今出川


それが彼らの闘いの場

異国人に囲まれた完全アウェー…

ニシオカ「こんなことでひるむような我々ではないぞ!」




学生ならば599円で楽しめるランチ…

ミツイ「くっ…!なんてリーズナブルなんだ…!」



1枚、2枚、とナンをたいらげるホトケカレー部


順調かと思われたその時、とんでもない事態が!!






ミツイ「俺、次からライスにするわ。」





あまりの衝撃に言葉を失うニシオカ。


映画館で爆睡
旅行先でホテルから出ない
動物園で入口のフラミンゴに3時間




禁忌



それは人類の叡智が我々に授けた大いなるパターナリズム



ニシオカ「お前、ホトケカレー部として恥ずかしくないんか!?お前のネパール魂はどこにいったんや!」


ミツイ「こんにちは。」


ニシオカ!?



ミツイこんにちは。



ニシオカ「ナ、ナマステ……」




完全にカレーから覚めたミツイ。

瞳に映る炎は消え去り、いつもの死んだ魚の目をしている。




わずか、1ヵ月。
早すぎるカレー部の解散。


カレーのパワーを体得できなかった彼らに残されたのは「留年」の2文字



ナマステ教ナン派ニシオカ

ナマステ教ライス派ミツイ

宗派の違いは、時に血で血を洗う惨劇を巻き起こす。




ミツイ「手で食べるの嫌やねん」



このぼんぼんが!

生まれた時からビル持ち資産十分のこのぼんぼんが!


ニシオカ「俺たちホトケ4回生の絆はここで終わりやな。あばよ、と言いたいところやけど、留年やからそれすら言えんわ。」





???「おいおい!4回生には俺たちもいるぜ!」




!?



サトウ「ホトケ1のグルメを差し置いてカレー部とは笑わせるぜ。」

フナコシ「カレーに一番近いのはこの俺だ。カレーと汚物は似ているだろ?」




そうだ。ホトケの4回生にはまだこいつらがいた。
一見頼りにならなそうで、大事な時にはやっぱり頼りにならない。
だけど、いないとなんだか寂しい大切な仲間。


サトウ「あら?この日替わりカレー、前にも食ったな。あーそうか!1週間制覇したからもう新しいのはないんか。フハハハ!」

フナコシ「おっと、今日のナンは焼き時間が3秒長いみたいやな。ふわふわ感が足りへんで!俺の人生のようなふわふわ感がな。フハハハ!」




すぐさまカレーに順応するサトウとフナコシ。


ミツイ・ニシオカ・サトウ・フナコシ



カレー四天王ここにあり。




フナコシ「どうや、ニシオカ・ミツイ。これでカレーパワーを体得し、単位を獲得することができるだろう。」


体にみなぎるスパイスの輝き。


これなら合格間違いない!






???「ソンナアマクナイデ!シケンモカレーモ!」








突如、キッチンから現れた謎の男



一見して明らかにわかる

黒い!



明らかに日本人の黒さを超えている!




もしかしたら中村文彦より黒いかもしれない!
















いや!中村文彦のほうが黒かった!






どんだけ黒いんだ中村文彦!





ナマステ店員「तिमी मान्छे अझै पनि ताजमहल नमस्ते हामी साँचो त्रास थाहा छैन। 8:00 रात, फेरि यहाँ आऊ। नरक प्रतीक्षा छ।。(お前たちはまだ我らナマステタージマハルの真の恐ろしさをわかっていない。今夜8時、もう一度ここへ来い。地獄が待っているぞ。)」




ふざけるな。
俺たちはカレーの最奥に辿り着いたはずだ。

だがしかし、そこまでいうなら仕方がない。カレー四天王の実力を思い知るがいい!



3月中旬の京都の夜は、いまだに息が白くなるほど寒かった。
そこに集まる4人の精鋭。

彼らはドアをくぐり小さくつぶやく。



ナマステ



それはこの世の真理を見通す言葉。
あらゆる虚飾を打ち払い、真実へ向かう大いなる力。



ミツイ「よっしゃこいや!食べ放題かなんか知らんけど、ナンの作りすぎで腱鞘炎にしたるわ!!」



ナマステ「オマタセシマシター。」



一同「なんやこれ!?」






テーブルにあったのはカレーでもナンでもない。

美味そうなチキン。




フナコシ「こ、これは!タンドリーチキンや!呪術で殺したニワトリに1000年かけて香辛料をまぶし続けて作る、禁断のネパール料理や!」


ミツイ「そんなもん知るかァァ!!この俺様が食らいつくしてくれるわ!」












ツルッ




ポロッ




グシャ






ミツイ死亡






(恥ずかしかったら消しといてください♡)









タンドリーチキンと対峙してから、わずか10秒のことであった。







のちにミツイはこう語っている



「手で掴んだのが間違いではない。横着して皿を移動させなかったのが敗因である。そして、もう一つ私が犯した大きなミスは、チキンがズボンにワンバウンドした際に避けてしまったことである。すでにズボンは汚れたのだから思い切って受け止めればよかった、ズボンとキチンの両方を救おうとした己の欲望を恥じる。」







強大な戦力を失ったカレー部に もはや勝機はなかった。


早くもアイスに手を伸ばすニシオカ
明らかに不味そうな焼きそばを頼むサトウ
トイレにこもるフナコシ




「お会計お願いします」



その言葉が全員の頭をよぎったその時!





ナマステ 








マイナビで‘インド’って検索したらここに辿り着きましたわ!」

ナマステ就活生 モリ




「お前は今まで食ったナンの枚数を覚えているのか?」

インドと山口の架け橋 イケダ



「それもらっていいですか?」

ホトケの残飯処理機 カシワギ




「ミツイさんには負けませんよ。」

俺の体は7割カレー  シャク




「カレー食ったら元気出るかなぁ?」

ナンより色白 ドイ




「あ〜…。そうっすねぇ〜。食べます。」

自由意思の求道者 ヤマグチ






こ、こいつら(涙)



思えば、俺たちが4年間バカやってこれたのもこいつらが後ろで支えてくれていたから。
俺たちと同じように、いや、俺たち以上のバカ野郎たち。
後輩であるはずのこいつらが今やとてつもなく大きな存在に思える。



ナマステ「くっ、想定外だ!カレーの香辛料すらまともに知らんこんな小童どもに…」




そして、もう一つ忘れてはいけない存在。



ガラガラ



なっちゃんこりゃなんだー?カレーに入ってる品物すらわからん愚民どもが、よくも粋がれたもんやな。まったくアタマにッ来るぞ!」



不器用で面倒くさがりな俺たちを面白いと言い、料理や芸術といった俺たちに足りない部分を補ってくれた心のオアシス。
マネージャーがいてくれたからこそ、今のホトケがある。



ニシオカ「…なるほどなるほど。コリアンダー、シナモン、クミン、カルダモン、ターメリック。そして、この暗号はナツキからの恵み。すなわちナツメグ!!」




ナマステ「そ、そんな!グハァ!!」






ナマステタージマハル河原町今出川店 壊滅






ホトケカレー部 完勝!







ナマステ


そして


ダンネバード






もはや俺たちに適うものは存在しない。
野球をあいし、カレーを愛し、立ちふさがる敵をぶちのめす。
それがホトケカレー部




ナマステミツイ「これで俺たちに怖いものはない。」

ナマステニシオカ「ああ、法学部の試験もこの闘いに比べれば恐るるに足らず。」





???「よくやりましたね。」




!?





サキヤマ神「あなたたちはホトケの伝統である野球を極め、さらに仏のルーツでもあるインドの食文化をも極めた。あなたたちにこれを授けましょう…。」


そこにあるのは一枚の紙切れ。
しかし、この世で最も価値のある紙切れ。

学問のススメ、日本銀行、100×100



フナコシ「サキヤマ神。そうか、あなたはヒンドゥーの神だったのですね。」


ホトケ史上、最も頼りになる先輩は、さっそうと闇夜に消えた。
今もどこかで日本の法律を勉強しているのだろう。
いつか、ヒンドゥーの人々にも牛や豚をたべさせたい。
日本の法律では牛や豚を食べてもいいんだよ
インドの人々にそう伝えるため、彼は日夜勉学に励むのだ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




平成26年3月5日

ミツイヒロタカ、ニシオカダイキ
京都大学法学部卒業
これから2人はそれぞれの道を歩いていく。
ホトケで育んだ野球愛とカレー愛を胸に抱いて。




???「ふふふ。河原町今出川がやられたか…。」
???「油断するからこうなるのだ。愚か者めが。」
???「やつは我ら四天王の中でも一番の小物…。」








負けるな!

ホトケカレー部

俺たちの旅はまだ始まったばかりだ!





またみんなでタージマハル行きましょう!! 

FIN