苦痛と進展の合宿  「中期」

今年の合宿もめっちゃ楽しい


後3日もあるなんて最高



イケダ以外の全員がその思いを胸に秘め、バスは帰路をゆく。




そしてたどり着く、癒しの旅館


激しい運動と日照りに奪われた体力を回復し

みんなでワイワイと盛り上がり絆を深める





はずだった!






ミツイ「おっしゃ〜!風呂いくぜ〜!俺はなぁ〜、合法的に裸になれるから風呂が大好きなんやで〜〜!」




ガラガラガラ…



ウツノミヤ「うぐあぁぁぁ!!助けてくれー!」


ミツイの飛び出目に写ったのは、泡まみれで苦しむウツノミヤ


そう、ゲバシャ大魔王ウツノミヤは下品の象徴




泡まみれでは生きていけない




いそいでシャワーで救おうとするホトケのメンバー。





しかし、




出ない!水が出ない!



すずめの涙ほどしか!





ヤマグチ「なんやこの風呂!最悪や〜!」






夕食では・・・





ミキちゃん「伊勢の旅館って、一体どんな豪華なものが出てくるのでしょう?韓国料理がいいわ〜。」


ミツキちゃん「やはり伊勢と言えばイセエビでしょう!プリプリの海老をたらふく食べて更なるナイスバディを手に入れるわ!」


アユミちゃん「ふふ、わたくしは松阪牛を望む。松阪牛こそわたくしのグルメ細胞に適合する食材なのですから。」





しかし、






ハンバーグ!




メインディッシュはハンバーグ!







ミサコちゃん「ま、ま、まだよ…。…すごく、美味しいかもしれないわ…。」



モグモグ…





ギータカビミョーー!!(この時ばかりは高音)






さらに就寝…




マユハさん「さあ、いい子は寝る時間よ!早寝こそが美容への第一歩なのよ!」


カオルちゃん「さ、さすが姉さん!常に未来を見据えていらっしゃる!」




おやすみなさ〜〜い




女マネ一同「イタッ!!






ざわ・・・ざわ・・・




枕が硬てぇ…





まさか石が入ってんのか?



枕投げで死人が出るレベル





ミキちゃん「こんなに痛いのなら、こんなに苦しいのなら、枕などいらぬ!!」


カオルちゃん「わたし、涙が止まらない…ッ!眠れないことがこんなに悔しいなんて…!」


アユミちゃん「これならわたくしの胸の方がまだマシ…」





!!!




アユミちゃん「えっ…!?」





天才、現る…





ミサコちゃん「そうか!ほかの人の胸を枕にしてみんなで輪になって眠るのよ!これぞ『おっぱい大作戦』。」





(参照図)




カオルちゃん「ハイ!わたしミツキちゃんの上でねたいです!一番眠りやすそうです!」


ミツキちゃん「わたしはミサコちゃんの上だけは嫌です!」



ミサコちゃん「なんだとコラァ〜〜!!」






修羅場…!




突如として始まった女の醜い争い…!






マユハさん「やめなさい!」


マユハさん「あなたたち下品なことはやめなさい。…そ、それに…、わ、わたし怖いの…。」



ミキちゃん「何が…、ですか?」





マユハさん「も、もしも…、お、男部屋でも、これが行われているとしたら…ッ!」





………







一同「枕で寝ましょう。」







ほとんど出ないシャワー




微妙(どっちかっていうとまずい)な食事




役割をなさない寝具







監獄だ…


監獄だった





何が癒しの旅館だ!





俺たちが馬鹿だった。








悪夢の夜が明けて、



おかわり「はやく、はやくこの監獄から開放してくれ!」


ニシムラ「大丈夫だ!今日は午前から水族館へ行く予定!すぐに出れるさ相棒よ!」





圧倒的歓喜!圧倒的幸福!





幸せとは、不幸からの脱出なのである(byダイキング)




急いでバスへ乗り込む一同。


しかし、出発から数十分






ニシムラ「水族館とかダルー。」



おかわり「オレらはよぉ、野球しにきたんよ。水族館ってなんやねん。なめてんのかよ。魚は食うの専門なんだよ!」






クズ、人間の屑!






地獄を脱出した途端に手のひら返し


幸せを感じるのは最初だけ、すぐさまその喜びや幸運を忘れてそれ以上の幸せを求める自堕落で強欲なクズ!





誰しもがこのクズたちを叱りつけ、罵倒し、そのひん曲がった性根をたたき直してやりたいと渇望した。




しかし、だがしかし!




その必要はなかったのだ!







一同「うひょーーー!!」






フルタ「カワイー!ペンギンカワイー!」



ウツノミヤ「アシカー!アシカショー見るーー!!」



マウラ「でっけー!ワニでっけー!!」






今までの態度が嘘のようにはしゃぐクズども!




まさに北風と太陽



腐った心を浄化するのは、怒りから来る叱咤ではなく、雄大な自然による抱擁であった!





タチバナ「いやー楽しかった!」



文句言って悪かったなシャク。



やっぱりお前のプランは完璧やったよ。


んじゃあ、次は体育館です。出発!





ミキちゃん「ちょっと、まだカオルちゃんとミツキちゃんが来てません。」



おいおい、何やってんねん。まぁもうちょっと待ちましょうや。ねぇシャクさん。





…シャクさん?







ゴゴゴゴゴゴゴゴ……







やべぇー!




ミスターパンクチュアルことシャクさんは遅刻者には容赦ないことで有名!



もちろん相手が女性でも関係ない!




制裁が!見るに耐えない粛清が!







カオ・ミツ「すいませーん遅れましたー!」




シャクコップ「標的を捕捉、抹殺プログラムを起動します。(機械音)」




カオ・ミツ「ひえーー!」






ミツイ「待て待て、こんぐらい許してやろうや。」



シャク「いえ、ダメです。規律は絶対です。」







ここに巻き起こる新旧帝王対決!




ミツイ「えへへ。エースはお前やで♡」



シャク「えへへ。4番は任せました♡」






ありえねーだろ!こんなこと!





今までがどうかしてたんだ!





ミツ・シャ「オラァァアア!!













グハァ!





敵わない!ミツイには敵わない。





シャク、無念の体調不良により

離脱。








ミツイ「もう大丈夫や。俺がいる限り、女の子に粛清なんてさせへんで!」




イケメン…!圧倒的イケメン…!






カオルちゃん「キャーー!!魚が逃げ出してるーー!」



ミツイ「誰が魚や!魚みたいな顔してるだけや!」





キンメダイ…!圧倒的キンメダイ…!







体育館に到着した一同。



普段野球ばかりしているホトケではあるが、野球しかできないわけではない。


ここではいろんな人のいろんな一面が垣間見れた





ホトケ卓球王選手権では、並み居る強豪を叩きのめしマキノが躍動!

生粋のおばあちゃん子であるマキノ…


幼き頃からそのおばあちゃんに鍛えられた強烈なドライブは全てを跳ね除けるオレンジの槍となった!





バドミントンではサトウが意外な強さ


ミツイとの対戦ではわざと接戦を演出するほどの余裕ぶりを発揮し、動けるデブを証明した!





バスケットコートに目をやると、バスケ大好きフルタ・ジョーザキを所狭しと駆け回る

しかし、こんな野郎はいつでも見れる!


見る価値なし!映る価値なし!




真に見るべきはギータカ!陸上部で鍛えた肢体を跳躍させる大活躍!

さらにギータカに無理やり連れてこられたマユハさん!

ここがポイント!150センチに満たない体で頭上はるかにあるボールを追い回す!これぞ萌!


純度100%の萌!






さらに貧血で野球にできなかったヤマグチもここぞとばかりに遊ぶ!遊び尽くす!でも卓球しかできない!



マウラはバドミントンのルールを説明する!

詳しい、なぜ詳しい?

その豊富な知識を雄弁に語る!




ニシオカ「めんどいな。サーブ権とかテキトーでええやん。」


ミサコちゃん「なんか気持ち悪いですね。」





嫌われる!何をやっても嫌われる!ドSコンビに嫌われる悲しき宿命!





そして、戦いに敗れたシャク・イケダは見学。敗北した者、負傷者の運命。


その横にはドイ。





なんでや!なんでお前も見学なんや!元気出せや!!



他のスポーツを嗜むことにより、第一にリフレッシュ、第二に体の動かし方や筋肉の可動域を再確認して野球に活かす、第三に野球への情熱を高める、という一石三鳥の素晴らしいプログラムだった。


疲れ切った我々は地獄の監獄ホテル新海へと舞い戻る。

(実名出しちゃった。テヘッ。)





2日目の夕食はBBQなのでさすがにマズイということはありえない。



地獄で一時の安堵。


ぞくぞくとバーベキュー会場に集まるホトケメンバー。


だが、すぐに異変に気付いた。





ブンッ!…ブンッ!




闇夜にこだまする風切り音。




うんうん。だいたいわかるぞ。



「す」から始まる行為やんな。





んで、体育館での疲れも忘れて夜中に外に出るアホは…



うんうん。だいたいわかるぞ。




「か」から始まる奴やんな。






カシワギ「素振りしてました!」







知っとるわ!




満場一致で知っとるわ!







魅惑のアホ・ヴァギさんは放置して夕食をいただく一行。



うむ、さすがに肉はなかなか旨いな。


でもなー、ちょっと少なくないっすかぁ?

ケチんなよぉー。



んでよー、ちょっと多くないっすかぁ?

トウモロコシがよぉー。



そんなトウモロコシばっかり食えませんよぉー。




そこそこに満足した我々は夜空のもとで談笑。


いやー、合宿も半分以上が過ぎ去ったなぁ

早いもんやで…






もぐ… もぐ…





うん?





もぐ… もぐ…





闇夜にこだまする咀嚼の音。




???「トウモロコシ旨いっすわー!」





うん、うん。だいたいわかるぞ。





「か」から始まるアホやんな。






カシワギ「そこのトウモロコシも食っていいすか!」




どんだけ食うねん!アホなんか!







マユハさん「じゃあ、このもやし炒めもあげる。」



カシワギ「それは要りません。」







わからんわ!



判断基準がわからんわ!!





その後は、浜辺で花火。




フルタ「打ち上げ花火するかー!」


モリ・ジョーザキ「おっしゃー!」




ピュゥゥーーーー… パンッ!





ウツノミヤ「うるさいわりにはしょぼいのぉ!」



お前らにお似合いやな。






マキノ「線香花火でもしますか。」


ドイ「それいいね。」




…パチッ …パチッ




ヤマグチ「儚いなぁ…」



お前らにお似合いやな。






カオルちゃん「わたしも線香花火する!うぇー!儚ーい!」



全然似合わんな…。







花火を終え、部屋に戻った一同。



…よし、そろそろ寝るか



ガラッ




女マネ一同「ゲームしましょうよ!」




ミツ・ニシ・サト・イケ・ウツ「…うぅッ…。」




こんな時間に女の子たちが部屋に押し掛けてきた…


必然的に前かがみになる男性陣







女マネ一同「おじゃましましたー!」



ゲームを終えて今度こそ寝る。




ミツ・ニシ・サト・イケ・ウツ「…うぅ…。」




固い寝具のせいでえびぞりになる男性陣





必殺腰破壊コンボと名付けよう。






まさに苦痛と進展の合宿であった。




つづく