期待と激闘の合宿 「創世記」
8時 京都駅八条口に集合
ハァ?
はぁ?
ハァアア!?
間に合うわけねー!
遅刻魔だらけのホトケメンバーが間に合うわけねー!
なんてスケジュールだよ…、なんて過酷な日程だよ…。
ヘギの野郎!ぶっ殺す!
(旅行代理人の担当者の名前ね)
かくしてホトケの地獄の合宿は始まったのである。
そう、『地獄』の合宿である。
昨年の合宿はみんなが楽しめる最高の合宿でした。それは旅行の全権限が愛と正義のおちゃらけリーダーことミツイに預けられていたからである。
しかし、今年のリーダーはシャク。
「魔王、恐怖、鬼畜ロリコン」で検索すると一番上に出てくる人物。
しかも今回預けられているのは全権限どころではすまない。我らホトケメンバーの生殺与奪の全てが彼に握られているのである。
怖いよー(>_<)
鬼畜ロリコン怖いよー(>_<)
合宿初日 午前8時
予想とは異なり定刻にぞくぞくと集まるメンバー。
去年と違いツチヤマ・ハラケイといった常識のない老害がいなかったのが要因かと思われる。
しかし、ある人物の登場により事態は一変する!
???「中華人民共和国、万歳ーー!万歳ーーー!」
モリ・ジョーザキ「もうったっくとうっ!もうったっくとうっ!」
そこには燦然と輝く毛沢東Tシャツを身に纏う2人の姿が!
集合からさっそく大ボケをかましてくるとは…。
早朝、移動直前の鬱屈感、重たい荷物による披露、毛沢東、モリ+ジョーザキ
なぜウケると思ったのかがわからん。勝算が見えない。
巨人VS横浜
内海 加賀美
う〜ん。勝算が見えない。
なんだかんだでややウケしたので、みんなのテンションも徐々に上がり最高の出発に。
シャク「…、よし人数も揃ったし、いざ出発だ!」
人差し指がとれそうなほどに念入りに人数確認した慎重派シャクの合図が響く。
???「いってらっしゃーい。」
!!!
ドイ「な、なにぃぃぃいいッ!?あいつ、バスの外にいるぜッ!」
チエちゃん「いってらっしゃーい、私はいきませんーー!」
どゆことーーーーッ!!
どゆことーーーーッ!!
何しに来たんだーーッ!!
ただ見送りのためだけに来た女。
本宮千枝。好きなスポーツはクラシックバレエ。特技は360度開脚(どうやって1回転させるのかは謎)。
不思議な女だぜ…。
目的地・三重は伊勢。松阪牛や伊勢エビなどの名産品を堪能しつつ、海岸線のホテルで自然をも楽しむ最高の旅行プラン。
いくら野球バカといっても我らは誇り高き京大生。今後の予定も考えるとここは体力温存が定石。
さっさと居眠りを決め込む一同。
行きのバスではカオルちゃんの叫び声だけがこだましていた。
3時間ほどの移動を経て伊勢へ到着した我々を迎えたのは青々と輝く海に囲まれたホテル。
フルタ「よっしゃー。やっと着いたぁー。ん…、ホテルって…、ここか…?」
お年寄りばかりの従業員
なんだかちょっと狭い部屋
堂々と設置されたアナログテレビ
一瞬にして不穏な空気に包まれる…
マウラ「まぁまぁ、これで決めるのは早いですよ。元気出して野球行きましょー。」
「野球」
ホトケにとってこのキーワードはすべての不安を取り除いてくれる最上のサプリメント。
久々の紅白戦で盛り上がるぜェ〜〜!!
マキノ「ちょっと待ってください。今回は17人しかプレイヤーがいないんですよ?しかもヤノことヤマグチは合宿直前に貧血で入院したために見学です。さらには我らがエース・シャクヒデキは右肩痛でマウンドに上がれません。これでは紅白戦なんてできやしないですよ!」
ドイ「バカ野郎!お前は夏休みの間、野球に全然参加しなかったから知らねぇようだな!今年の1回生マネージャーにはな、プレイヤーとしても活躍できる逸材が溢れてるんだよ。だから人数に問題はない!そして、うちには万能戦士・ニシオカとゲバシャ戦士・ウツノミヤがいるから投手不足も解決だ!」
普段あまりしゃべらない二人の長ゼリフに驚く一同。
だが、お前らの説明口調嫌いじゃねぇぜ…。(ブログには便利やからね)
こうして2回生VS1・3回生連合の試合が開始した。
ミツイ「ふん、今まで散々叩きのめしてやったのにまだ俺たちに逆らうのか。しかもウツノミヤが投手って(笑)。お前ら、ガンバルぞー!」
おかわり「うぇーいww」
ニシムラ「うぇーいww」
タチバナ「うぇーいww」
ジョーザキ「うぇーいww」
マウラ「うぇーいwwwwwww」
ニシオカ「なんじゃこりゃぁァアアーーーッ!!」
2回生に比べ、圧倒的に実績のない1年生たち。
さらにお荷物のマウラがこちらのチームに押しつけられて、戦力差はさらに著しく…。
ニシオカ「いや、大丈夫だ。俺が桐光学園の松井くん並みの奪三振をとれば…。」
しかし
カシワギ「\アッカリーン/」
イケダ「\エッロリーン/」
シャク「\ロリロリーン/」
主力の3人を封じることもできず、
フルタ「\ガッオリーン/」
ドイ「\ウッツリーン/」
マキノ「すいません、打たせてもらいます。」
モブキャラにも満遍なく打たれて6,7点ほど奪われると、守備はジョーザキを中心にエラー連発。
さらにはウツノミヤの好投により反撃もできず。
マキノの空気の読めなさも相まってニシオカのイライラは限界に。
と、そこへ
???「おいおい、お前ら苦戦してるようやな!」
まさか、ここで救世主か?
誰や!?
使える3回生といえばキムラか?それともハラケイとかナカザキのとっつぁんか?
デブ「俺が来たからには安心やで!」
誰やあいつは…?太ってる。とりあえず太ってる。
ミツイ「ふざけんな!ホトケにこんなデブはいねぇんだよ!」
ギータカ「ちょっと、よく見てごらん。なんだか凄いキモオタ臭がするわよ。(超低音ボイス)」
と、いうことは…
サトウ「おいっす」
一同「でっぶ〜〜〜!」
できもしない勉強で家に引きこもり、外に出たかと思えば阪急のホームに突っ立ってるだけ…。
そりゃ太るわ!むしろ太らないほうがおかしい!
そしてひとつ言えるのは、
こいつは絶対に救世主などには成り得ない!
むしろ多大に足を引っ張るであろうということだ!
その予感は見事なまでに的中し…
終盤で7−2ぐらいまで突き放される。
そして最終回。
タチバナ「ちょちょ、ちょっと!相手のマウンドに誰もいませんよ!」
これは一体…
雑魚相手にはピッチャーなんていらないってことか?
自分でトスして打ってろよってことか?
華武高校の半減野球でもやるってのかよ!?
サトウ「な、なめやがって〜〜!!」
おかわり「待ってください!あ、あれを…!よく目を凝らしてください!」
ん…?
!?
なにか…、なにかが動いている…!
薄い…、薄すぎる…
あまりの存在感の薄さで気付かなかった…!
ドイ!!!
ドイがマウンドにいる!
投げている!
ハエのとまりそうなボールを!!
ニシムラ「こ、れは…。…チャンス、…千載一遇のチャンスだ!あのしょぼい球なら俺でも打てる!」
(※注…先輩を舐めているランキング1位)
そして…
カキーーーン
カキーーーン
カキーーーン
あっというに追いつく!
まさに刹那!
地球の歴史46億年を1年に置き換えた時の人類が登場してからの期間ぐらい短い!!
同点。
5,6点差が一気に
しかし1,3回生は喜ばない。
当たり前のことなのだから!ドイが現れた以上当たり前!
2回生も悔しがらない。
当たり前のことなのだから!ドイが現れた以上当たり前!
だが、
だが、
それならなぜドイをマウンドに…
マキノ「♪あたりまえ〜あたりまえ〜、サードとショートは内野ゴロが〜〜、とれない〜ッ♪」
ボテッ
平凡な内野ゴロ。
!!!
タチバナ「うぇ〜いwww」
ジョーザキ「うぇ〜いwww」
エラー!
エラー!
圧倒的エラーの数々!
そして
カシワギ「死にさらせや〜〜!!」
カキーーン
これまた一瞬…
刹那…
エアコンの冷房を切ってから部屋が暑くなるまでぐらいの短さ!
サヨナラ
まさかのサヨナラ
そしてさらなる屈辱は!
シャク「整列!1軍の勝ちです!礼!」
い、1軍…!?
1軍だとぉ〜〜〜ッ!
ニシオカ「もう許せねぇ!てめーの血は何色だァアアア!!」
猛然とシャクへと突き進むニシオカ!
イケダ「勝負はもうついてんだよ!俺が返り討ちにしてやるぜ!」
ここに始まったホトケの2大イケメンの激突!
そうだ、今までこの事態が起こらなかったほうがおかしいのだ!
本来ならイケメンNO.1の座を巡って血で血を洗う争いになって当然!
ニシオカ「エヘヘ('∀`) イケちゃん♥」
イケダ「エヘヘ(ノ∀`) センパイ♥」
ありえねーだろ!!
こんなこと!!
今までがおかしかったんだよ!!
ニシ・イケ「オラァァァァアアッッ!!」
スタッ
…
???「ぐあぁぁぁああ!!」
敵わなかった…
ニシオカには敵わなかった!
イケダ、敗れる!
無念の左足首負傷!
ホトケのヒエラルキア
その頂点に立つ男に逆らって、明日明後日と合宿を楽しめるとでも思ったのか!
泣けィ!!
狭い旅館に一人引きこもって泣けィ!
ろくに歩くこともできずになぁ!!!
まさに期待と激闘の初日であった。
つづく