マツイダークネスゴリラズ戦 『MONSTER'S PRIDE』

2011年



ミツイダイナマイトモンスターズ(通称 ホトケ)は偉業を達成した。




京阪リーグ完全制覇





30余年に渡る長い歴史を持つ京阪リーグにあっても、この偉業を達成したチームは数少ない。



勇猛果敢・疾風迅雷・猪突猛進・牛飲馬食




個々の力が1つになって、最高のチームを作り上げた。




あれから3年…。





大学を卒業し、社会の歯車として仕事をする者…





大学院に進学し、日夜研究に励む者…





大学から、そして社会から逃げ出し、ただひたすら虚空を見つめる者…













ナカムラフミヒコ「オイオカン。キュウガクトドケモッテコイ。」







3年…。





人が変わるには十分な歳月だ。





ましてやチームの力は大きく変わる…。




無敵を誇ったダイナマイトモンスターズも例外ではない。




人々は言う。





ダイナマイトモンスターズは弱くなった。





そう評されるのには、もちろん理由がある。





ニシオカ「俺は社会に出る。」



カシワギ「ブラック研究室に入ります。」



シャク 「寺で修行します。」




史上最高の安打製造機であったニシオカダイキ



外野のスペシャリストであったカシワギヒロタカ



そして、大正義 シャクヒデキ




主力であった面々が次々にチームを去った。







その挙句残ったのは…













フナコシ 「うぇーーーいw」



アオキさん「うぇーーーいw」




ヤマグチ
 「うぇーーーいw」





筆者が絵を描くのが面倒だからではない。




これがありのままの姿だ。




棒人間 3人衆(左からフナコシ アオキ ヤマグチ)




骨と皮だけで構成された彼らの肉体。




風が吹けば飛ばされそう。




その辺の女の子のほうが強そう。




そして、何より打たなそう…。




ダイナマイトモンスターズという破壊力抜群のネーミングにそぐわない3人衆。




ダイナマイトモンスターズの不安要素はこれだけではない。



主力たちの劣化も疑われる。



怪腕 ホンマレイは、3週間の東京でのインターンを終え、先日帰京。


野球とはかけ離れた生活を送り、ブランクは大きい。


おまけに、その意識の高さから硬式のクラブチームに在籍し、軟式野球は半年ぶりとのこと。



主砲 ミツイヒロタカ


豪打を誇るこの男は、超上位ロースクールに進学した。


法曹を目指す 志高き者が集うロースクール


その中にあって、彼が通うロースクールはそんじょそこらのロースクールではない。



『超上位』ロースクール




優秀な法曹の卵たちが数多く在籍し、しのぎを削る。


激烈な競争の中、生き残るには猛烈な勉強が必要なのだ。


野球などしている暇はない!!!


そんな暇はないはずなのだ!!!








主力たちの離脱残留主力の劣化現有戦力の心もとなさ


こうした要因が重なり合い、ダイナマイトモンスターズは弱くなった。




人々は言う。



福本豊もそういってるはず。



たぶん川藤幸三も。








そうした下馬評の中、ダイナマイトモンスターズは久々の試合をすることになった。


対戦相手は、マツイダークネスゴリラズ(通称 フィールドマジシャンズ)。



残忍で、好色で、強欲で、不実で、人を騙し、衝動に駆られ、悪意に満ち、ありとあらゆる罪悪を身におび、かつ、底なしの淫乱ぶりがとめどを知らず、人妻であろうと、人の娘であろうと、年増であろうが生娘だろうが、その欲情のため池を存分に満たすことなど不可能だと言わざるを得ないほどひどい 主将 マツイを中心に結成されたダークネスゴリラズ。 



マツイは大したことない。



こいつは安全安心。



日本の最高の科学技術、叡智を結集して開発したコンドーム並みに安全安心



だが、ゴリラズにはあの男がいる。



公正、誠実、節制、不動の信念、寛容、不屈の精神、慈悲、謙虚、信仰、忍耐、勇気、剛毅とあらゆる美徳を兼ね備えたとってもすごい人 ウナミさん


前人未到の京阪リーグ20勝を達成した危険な男。


ウナミさんばヤバイ。





マツイのダークネスでゴリラなところを相殺して余りあるウナミさんのヤバさ。


もはや、マツイダークネスゴリラズではなく、ウナミダイヤモンドペガサスズでいい。



このペガサスズを相手に先発するダイナマイトモンスターズの投手は、












そうです。ドイです。




そうなんです。ピッチャーいないんです。




だからドイなんです。




今ならわかります。先発投手を「」にする、和田監督の気持ちがわかります。



ドイ 「昨晩、フルタ・イケダとオールで麻雀してました。睡眠時間は2時間です。」




おまけに最悪のコンディション。



こうしたゴリラズ優位な状況に乗じて、マツイは調子に乗る。



マツイ「ゴリラの力をみせてやる!ウホウホホーーー!!!」



ゴリラの雄叫びに、黙り込むダイナマイトモンスターズ



ただひたすら「強さ」を求めて邁進してきた彼らは本当に弱くなったのか。



逆風吹き荒れる中のプレイボール。



いったい、どうなってしまうのか!!!










先攻はダークネスゴリラズ



麻雀疲れ睡眠不足で立ち上がりが不安定なドイを攻め、いきなり1アウト二塁のピンチ。



ドイ 「ハァハァハァ…死にそう…」



悲壮な雰囲気を漂わせつつ、ドイが投じた1球は甘く入る





ゴリラA 「ウホウホホーーーー!!!」








カキーーーーーン






ゴリラAの放った痛烈な打球は右中間




ウチュウカンってなんですか?」




そんな糸井みたいな読者に説明しよう。





右中間とはライト(右)、センター(中)の間である。




ダイナマイトモンスターズではライト モリセンター ミツイです。





そうです。やばいんです。




こいつら守備ヤバいんです。




センター ラミレスライト セペダみたいな感じです。







しかし







モリ「うぉおおおおおおお!!!」








パシッ







なんとモリ 右中間の飛球をランニングキャッチ!!!





そして、





モリ 「どっせぇええええええいいい!!!」





セカンドに正確な送球。ゲッツー完成!



モリの魅せる驚愕のプレー!




モリ 「いつまで僕は守備が下手なキャラなんですか。それは3年前の話でしょ。」





3年前、自信満々のド素人だったモリ



ライトフライもろくにとれなかったこの男は、3年の歳月を経て大きく成長した。



悔しさ、情けなさ…



そんな気持ちをばねに、モリは立派なライトに成長したのだ。








3年前、3万円のオーダーグローブを購入し、クソみたいなエラーを連発して笑顔だったあの男とはわけが違う。













ナカムラフミヒコ 「ハタラカズニクウメシハウマイ。」







こうしてモリのファインプレーもあって初回をゼロに切り抜けたダイナマイトモンスターズ



その裏の攻撃。




先頭は人数不足のため若手から招集されたロレス





フナコシ 「よっしゃー!ロレスいったれー!」




ロレス  「はい。」





寡黙なこの男。





だが、胸に秘めた闘志は人一倍強い。







キーーーーーン






鮮やかにレフト前に落とし、攻撃の突破口を開く。




続く2番ドイ







ドゴォオオオオオン







強烈に左中間を破るツーベース




サチュウカンってなんですか?」





ってのはもういいよな…




ホンマは凡退するも、ミツイがサード後方へのヒットで続き、モリのゲッツー崩れで2点をあっさり先制。





この2点に勇気を得たのか、その後のドイは立ち直る。





打てそうで打てないストレート


何故か面白いように空振りをとれるドイボール





をうまく投げ分け、凡打の山を築く。





バックも好守で盛り立てる。





サードに入った棒人間ヤマグチ





ヤマグチ 「うぉおおおおおおお!!!」







パシッ






パシッ







パシッ







サードに飛びくる強烈な打球を次々と捌き、鉄壁の守備を魅せる。






棒人間 アオキさんはバットで魅せる。







キーーーーーーーン









三遊間をしぶとく破るいぶし銀のバッティングでチャンスメーク!




「俺たちには確かに筋力がないかもしれない。だが、俺たちもダイナマイトモンスターズの一員として練習してきた自負がある。」




そう言わんばかりの2人の見事な活躍。





素晴らしい!!!


本当に素晴らしい!!!





一方、















こいつは紙幅の関係上、省略しますがお察しの通りの活躍でした。





現有戦力のこころもとなさ





そんな不安要素をかき消すヤマグチアオキさんの活躍。





そして、5回。


ドイがこの試合、3本目のツーベースで出塁し、ホンマが歩き、打席には







ゴゴゴゴゴ


 ゴゴゴ


ゴゴゴゴゴ


  
 ゴ ゴ
ゴゴゴゴゴ
 ゴ ゴ
ゴゴゴゴゴ
 ゴ ゴ
         






マツイ「ミツイは勉強ばっかりしてて大したことない!やっちまえ!ぐへへ。」




ミツイ「ふっ。誰にモノをいっている。俺はダイナマイトモンスターズの主砲。俺にかかればロースクールの厳しい学修などこんなものだ。」




おもむろにカバンから教科書をとりだすミツイ






ミツイ「ふんぬぅうううううう!!!」












アオキ  「あ、あれはもしや!?」




フナコシ 「知ってるのか!雷電!いや、アオキさん!」





アオキ「あれは、『ケースブック刑事訴訟法』『株式会社法』『民法講義4 契約』だぁああ!!!あの激重い3冊を自由自在に使いこなしているぅ!本来の使用方法とは異なるけどスゴイ!なんという筋力だぁ!!!」




普通のロースクール生なら裸足で逃げ出す重厚な基本書3冊


それをいとも簡単に持ち上げる ミツイの驚異的なパワー。


超上位ローに入学して半年。


ただ、勉強だけしていたわけではない。


いや、勉強はあまりしていないのかもしれない。



日々のたゆまぬ筋トレで肉体改造していたのだ。





ミツイ「うぉおおおお!!!!」






ドゴォオオオオン!!!





一閃!!!







低めの速球を見事に救い上げ、ホームラン級のツーベースを放つ。



ホンマも次の回、ホンマらしい強烈な打球をレフト前に放つ。




主力の劣化




ダイナマイトモンスターズに囁かれる不安を見事に吹き飛ばす主力たちの躍動。



主力としての責任、野球への情熱



自分たちをとりまく環境がいかに変わろうと、彼らにとって、それが消え去ることはない。




そんなこんなで、ミツイホンマも活躍するも、それを凌駕する活躍を魅せたのはこの男だった。














そうです。ドイです。




ドイ「うぉおおおおおおお!!!!」







カキーーーーン







カキーーーーン







カキーーーーン






カキーーーーン






カキーーーーン








5打数5安打






ドイ「どぉせぇええええいいい!!!」







9回完封








投げても、打っても、とんでもない活躍!


とんでもなくスゴイぞ!ドイユウキ!!!





ドイ 「シャク・ニシオカさんの穴は俺が埋める。これからは俺の時代。俺がエースだ。」




穴があったら埋めればいい。


ヒーローがいないなら俺がなる。


最悪のコンディションの中でみせた、最高のパフォーマンス。


チームの弱体化という下馬評をもろともしない強靭な精神力。


野球人としての矜持。


かっこいい。かっこよすぎるぞ。ドイユウキ。


もうええわ!


これからはドイエロッティックドラゴンズでええわ!



こうして、ドイの活躍が主でしたが、他にもロレスが何気に4安打していたり、モリも見事なセンター前タイムリを放つなど、チームで計16安打の猛攻、10−0で見事勝利しました★





今日の英雄




ドイ









マツイ「すぃぃっませぇええんでした!!!ゆるしてください!命だけは!命だけはご勘弁を!」




試合後、無謀にもダイナマイトモンスターズに挑んだことを泣いて後悔するマツイ




ミツイ「もう人間界で悪さはしないか?森でみんなと仲良く暮らすと約束できるか?」





マツイ「はぃいい!!!約束します!だから命だけはご勘弁を!!!」





こうして、ダークネスゴリラ マツイ桂の森に戻っていった。



人間界の平和を取り戻したダイナマイトモンスターズ



そして、「弱い」という下馬評を見事に覆した。




そう、「ミツイダイナマイトモンスターズは強い!」のだ!!!




主力が抜けようが、野球だけに集中できない環境になろうが、野球を愛する気持ち、情熱は変わらないのだ。





来週はさらなる強敵 軟式野球部 ウッドストックとの闘いも控えている。





厳しい試合になることが予想されるだろう。





ダイナマイトモンスターズの挑戦はまだまだ続く!