最強対決 オールスターズVSオールウェイズ 

「欲する物を手に入れること」


ひと言で言うなら、人が生きるということは『ただそれだけじゃ』


金がほしい、名誉が欲しい、食べ物が欲しい、愛が欲しい、恋人が欲しい…




エンヤ婆 (『ジョジョの奇妙な冒険 第3部』)






京阪リーガーA「はぁー、今日も往復780円、重い荷物背負って大阪か…。」



京阪リーガーB「何しに行くかって?負けにいくんや。あほらしいやろ。」



こうして、毎週土曜、日曜、祝日

京阪リーガーたちは、阪急という名の囚人列車に乗って「南方」に行く。

だいたい「南方」ってどこや?



阪急職員 S藤はこう語る。



S藤「南方?あ〜、あの梅田への通過駅のことですか?

あんな駅で降りる人は、京阪リーガーくらいですよ。

みんな野球道具持ってますもん。

平日は電車が通りません。必要ないんです。

阪急バイトも、あの駅にはいませんしね。

てか、みんな俺のこと忘れてない?俺、最近空気だよね。

ipad買ったら、6万もしてさぁー…

あーだ、こーだ、こーだ、あーだ…」




サトウ…。

そんなに皆と喋りたいならホトケに来いよな。

いつも、アフアフのよびだしをガン無視するんはどういうことや?



どうやら、「南方」は京阪リーガーのために創設された流刑地とのこと。

そして、この島流しは、今に始まったことではない。

84年、オールウェイズ加入後、脈々と受け継がれてきた負の歴史である。




今日も、淀川河川敷グランドに、弱者たちの悲鳴強者の嘲笑が響き渡る予定だ。


対戦カードは ジャスティ 対 オールウェイズ


横浜 対 WBC日本代表みたいなもんだ。


子供と大人の喧嘩


結果は目に見えている。





ジャス主将 ヤナダは逃げ出した。


今年一年、『正義』の名を背負い、チームを牽引してきた男が逃げ出した。


南方に集まったジャス人員は2人(原・中西くん)。


オールウェイズ主将 ミヤモトくんは彼らにまで牙をむく。





ミヤモト「あれ?おかしいですね〜?

どうみても2人しかいませんね。

しょうがないので、2対9でやりましょうか。

透明ランナー制」を適用しましょう。

正義』なんでしょ?

正義』は必ず勝つんでしょ?

しゃあはっはっはーーー!!!」




ハラ「くっ…。俺たちの大好きなジャスをバカにしやがって…。

ゆるせん!絶対にゆるせんぞ!」




ミヤモトの挑発に、怒りをあらわにするハラ。

しかし、これもミヤモトからすれば「計画通り!」

まんまと挑発に乗ったジャスを叩きのめし、震えるような愉悦を味わう…。





淀川血の雨が降り注ぐことは必至と思われたその時、


11月とは思えない、汗ばんだ陽気に包まれたグランドに、


予想だにせぬ男たちが登場する!





ミヤモト「では、オールウェイズ対ジャスの試合を始め…」






ちょっと待ったぁああーーー!!!







ミヤモト「誰だぁー?貴様らは!!!」





レッド 「ふっ、俺たちか?俺たちはお前らを倒す者だ!」



ブルー 「俺たちは『正義』の名のもとに集まった!

ちなみに、足が治りました。」



ホワイト「悪さするのも、今日で終わりにするっちゃねー。」



イエロー「調子に乗っていられるのも今のうちさ。ヘッヘッヘ。」



ブラック「がんばります!」(←もうちょっと気のきいたセリフはけやー!!!)



ミツイ 「俺が入ってないのは顔が悪いからですか?

やっぱ世の中、顔なんですかぁああああ!?



ホンマ 「集合写真の欠席者かーーーーーーい!!!

宙に浮いてる寂しい人かーーーーーーーーーい!!!」









全員「人に隠れて悪を打つ!



我ら京阪リーグオールスターズ!!!




ミヤモトいや、隠れてないからね!思いっきりホトケ+ホンマだからね!





こうして、ジャスの助っ人として、ホトケの主戦6人+ホンマ+ジャス2人というドリームチームが完成した。


1〜6まで打率3割超えの破壊力

シャク・ホンマのリーグ屈指の右腕

守備力もトップクラス


京阪リーグオールスターズ』、いざ、参る!







オールスターズの先発はシャク

オールウェイズの先発はミヤモト

リーグを代表する好投手2人の投げ合い。

容易にゲームが動こうはずもない。

試合は、3回表まで0-0の緊迫した試合展開、

が、裏のオールウェイズの攻撃。





キーーーーーン!




コーーーーーン!





カーーーーーン!






さすが、最強ヒール オールウェイズ

右打者はライト方向、左打者はレフト方向に

コンパクトに打ち分け、無死満塁のピンチに。




シャク「くっ…。さすがにやりやがるぜ…。

京阪の他チームとは格が違う。

なんて投げづらいやつらだ!」




悪人打者「イヒへへ。こっからが俺たちの真骨頂だぜ。」




薄気味悪い笑みを浮かべ、打席に入るオールウェイズの悪人打者。

ストライクはカットし、ボールは見逃す。

京阪リーガーたちを苦しめてきただけのことはある。

見事な厭らしい攻撃に、シャクが根負けし、押し出しの四球。

均衡が破れ、なお無死満塁のピンチも、




シャク「前回は、ここで崩れて6失点。

あの屈辱は今でも忘れない。

今日は、てめえらにやり返しに来たんだ!!!」




絶体絶命のピンチに、屈辱の敗戦を思い出し、奮起するシャク

続く三人を剛球でねじ伏せる素晴らしい投球で追加点をゆるさない!




0-1のまま、試合は終盤5回、オールスターズの攻撃。



ミヤモト「大口叩いてた割には所詮その程度か!

俺はマウンドを降りることにするぜ!」


オールスターズをノーヒットに抑え、上機嫌でライトにいくミヤモト



やはり、『』が勝ってしまうのか?

正義は勝つ」とは、体のいいキレイゴトに過ぎないのか?

思えば、この世の中は『』が蔓延っている。尽きることのない『』が。

このままでは…。





国民の代表たる政治家たちは平気で汚職に手を染め、

政官の癒着は絶えることを知らない。

「秋霜烈日」を謳い、『悪』に立ち向かう検察が、

司法への信頼を揺るがす『悪』をなした。

企業は私利私欲の追求に血眼になり、

粉飾・偽装はあとを絶たない。

親殺し・子殺し…。

目を覆いたくなる凄惨な事件が横行し、

もはや道徳は地に堕ちた。


『どうすれば他人をだし抜けるか?』

『卑怯なことしても勝てばいい。』

社会で教わるのはそんなことばかり…

僕は絶望しました。

お父さん、お母さん、生まれてきてごめんなさい。

さようなら。




ドイ ユウキ




近い将来、あの青年がこんな『遺書』を残して、天に召されるのは目に見えています。

せっかく、明るくなれたのに。友達ができたのに…。



俺たちは負けるわけにはいかない!

正義』を守るため、子供たちの『』と『希望』を守るために!

ドイ生命の息吹を絶やさないために!



オールスターズが反撃に転じる!!!


口火を切ったのは、ブルーマキノ



マキノ「この足が動かなくなるまで、俺は走り続ける。

そこに『』があるのなら!」





ゴキーーン





鈍い音を立てて、サードに転がる打球。



悪人サード「よっしゃ。これでアウトやって…なに!?





ズダダダダダダ!





ズシャーーーン!





いったい何が起こったのか!?

平凡なサードゴロでマキノは二塁にいた!

信じられない!




僕は少年時代、ミスフルトマルピノが内野ゴロを二塁打にしたとき、

「そんなあほなー。子どもやからってバカにせんといてー!」と思ってました。

しかし、トマルピノは実在しました…。

スズキ先生、ごめんなさい。





マキノが快足を飛ばし、ジャス2人が予想通り凡退し、3塁に進む。

続く1番レッドニシオカが影分身を決め、2死1、3塁のチャンス。




ニシオカ「ブルーよ、お前なら俺の『意図』がわかるよな。

言葉はいらんよな。」


ニシオカのアイコンタクトに静かにうなずくマキノ




ピッチャーが投げる!




ニシオカが走る!




悪人捕手が二塁に送球!




悪人捕手「しっ、しまったー!!!」








ズダダダダ






ズサーーン!






3塁ランナーマキノがスタートを切り、同点のホームイン!



マキノ「遅い!遅すぎるぜ!貴様の手からボールが離れた瞬間、俺は既にホームを踏んでいた!!!」




ホトケ(もうホトケでええか)の攻撃はまだ終わらない。



打席には、ホンマの登場で2番に上がったホワイト ハラダケイ




ハラケイ「♪あれはナンナンジャーニンジャーニンジャー!

カクレンジャー!ニンジャ!ニンジャ!

ニンジャ戦隊カクレンジャー




みんなよりちょっぴり大人のハラダケイ


カクレンジャーがどんぴしゃの世代だった。


カクレンジャーでは女の子の鶴姫が大好きだった。


でも、レッドが好きと偽っていた。


あの頃はシャイだったのだ。


今は違う。


チーム1の肉食になった。


この男の鋭くとがった牙は、狙った獲物は絶対に逃がさない。


それがであろうと、絶好球であろうと…







キーーーーーーーーーン!






ハラケイの打球は、右中間を破る勝ち越しタイムリーツーベースで大逆転!



その後は、シャクが好投☆

途中、ビジュアル的にレンジャーに入れなくて不貞腐れてたミツイ・ホンマのエラーが飛び出るも何のその。




ついに、最終回、ツーアウトに。


シャク 「これが俺たちの『正義』の力だ!」






ギュィイイイイイン!







悪人打者いや、さっきから散々『正義』『正義』と謳ってるけど、

助っ人7人とか思いっきり『卑怯』なんですけどぉおおお!

もはや思いっきり『』なんですけどぉおおおお!

しかも、僕のこの発言、思いっきり線で消されてません?

臭いものにはフタ』ですか?

それが『正義』なんですかぁああああ!」








ニシオカ黙れ!勝った方が『正義』だ!







ズバーーーーーーーン!






こうして、『正義』は勝ちました。

最初は、『』に苦戦を強いられる劣勢からの大逆転。

スーパー戦隊シリーズ』の脚本みたいな見事なお決まりの展開でした!







今日の英雄



ハラケイ 値千金の勝ち越しタイムリーツーベース


マキノ  反撃の狼煙を上げる好走塁


シャク  前回の雪辱を果たす1失点完投





は潰え、オールウェイズはこの時点で3敗。

ホトケがたとえ、万が一にも、億が一にも、京が一にも、

26日にオールウェイズに敗戦したとしても、

ホトケの単独優勝が確定しました!

わざわざ大阪くんだりまで出向いたのも、このためだったんですよぉおお!

よっしゃおらーーーーー!!!

トーナメントも絶対獲ろうぜぇええい!!!