2011年度タントンテン大学ラーメン学部試験問題

問1 
「京都ラーメン戦争」について説明せよ。
ただし、下記の語群に記された用語を必ず使用すること。(30点)

語群
 応仁の乱 自然の摂理 光 影 勝利 敗北 誕生 消滅  


65という数字が何を表すかご存じであろうか?
驚くなかれ、この数字は今年1年間で京都市内に新しくできたラーメン屋の数である。
つまり、1週間に1店のハイペースで京都市にラーメン屋が誕生している計算となる。
ここで自然の摂理というものを考えていただきたい。
があればがあり、勝利があれば敗北がある。
誕生の裏には消滅がある。
そう、これだけのラーメン屋が開店している背景には、たくさんのラーメン屋の閉店が隠されているのである。
食うか食われるか、やるかやられるか。
応仁の乱から約500年の時を経て、京都で再び勃発した大戦争、それが京都ラーメン戦争である。


問2
最近巷で話題となっている「紫蔵の閉店」について思うところを述べよ。
ただし、下記の語群に記された用語を必ず使用すること。(50点)

語群
坂本勇人 松本哲也 山口鉄也 ニュータイプ  


ここ5年以前の京都ラーメン界の最大の問題は「人気ラーメン屋の固定化」であったように思う。
ますたに、天天有、高安、いいちょ、東龍、麺屋○竹といった、ごく一部の有名ラーメン店が長きにわたって「人気ラーメン屋」というポジションに居座り、新規ラーメン屋がそのポジションを脅かすことは皆無に等しく、レギュラーが固定化し、新戦力が台頭することがほとんどなかった、一時期の巨人のようであった。
このような状況は、ラーメンファンたちの「ラーメン屋選択の幸せ」を限定し、人気ラーメン屋も競争がないことからその地位に安住するなど、京都のラーメン界の発展にとって最悪の状況であったといえる。
だが、坂本勇人松本哲也山口鉄也といった若きスターが誕生し、巨人軍に新たな風を吹き込んだように、約5年前から京都ラーメン界にも期待の新星たちが続々と誕生し、最悪な状況は一変した。
夢を語れ、高倉二条、吟醸ラーメン久保田、そして残念なことに3月いっぱいで閉店することになった紫蔵がその新星である。
「二郎系ラーメン」の夢を語れ、全粒粉の麺を使用した高倉二条、つけ麺を武器とする久保田、「横浜家系ラーメン」の紫蔵は、それぞれが今までの京都ラーメンになかったタイプのラーメン屋であり、ファンの間では「ニュータイプ」と呼ばれ定着してきた。
ニュータイプ台頭の刺激により、天天有が昼営業(煮干しラーメン)をはじめ、東龍が全く違う味の支店(一神堂、福仙楼)を開店するなど、著しい相乗効果をもたらした。
京都のラーメン界にこれほどの恩恵を与えてくれた紫蔵が閉店することになったのは、いちラーメンファンとして誠に遺憾であり、京都ラーメン界にとっても大いなる打撃であると言える。
ニュータイプの紫蔵の活躍は、次世代のニュータイプラーメン屋を目指す後進たちにとっての希望となるし、紫蔵自体が将来的に京都ラーメン界を牽引していく存在となりうる実力を有していた。
京都ラーメン界のためにも、そして私を含むすべての紫蔵ファンのためにも、紫蔵の復活を願ってやまない。


問3
もし「かけがえのない女」と「ラーメン」のどちらか一方を選べと言われたら、あなたはどちらを選択しますか?なお、この問題を間違えた場合、問1、問2の出来にかかわらず、単位は認定しないものとする。(20点)


私は迷うことなく「ラーメン」を選びます。
俺にとってラーメンは最高の女です。



試験結果(受験者330名)
合格者1名 不合格者329名

試験講評
問3を正解したものが1名しかいなかったため、このような結果となってしまった。
諸君がラーメンをこの程度にしか愛していないとは残念だ。
唯一の合格者Мくんを見習い、各自精進するように。