祝!京阪リーグ完全制覇 〜歴代最強の常勝軍団〜 

戦いに勝つは易し、勝ちを守るは難し


野村克也




無類の強さを誇り、前期・後期リーグを優勝で飾った我らがホトケ



勝率0.919 1試合平均得点5.68(失点2.56) チーム打率0.262 チーム防御率2.07



ご覧の通り数字にもその強さは如実に表れており、もはや誰がどう見ても「最強」の名にふさわしい。


だが、我々にはもう1つやらねばならぬことがある。



そう、トーナメント優勝で「三冠」を達成することだ。





もし、これを逃すと




A「俺ら、前期リーグも後期リーグも優勝したし。」


B「でも俺らは、トーナメント優勝したし。」



というように


あたかも  A:B=2:1

かのように扱われる。




A「いやいや、実際はリーグは18試合でトーナメントは4試合やねんから、『A:B=36:4』が妥当やろ!」


といちいち反論しなくてはいけません。




心に闇を抱えており人と話すことに抵抗があるホトケナインたちは、一言でも無駄な会話を減らすためにどうしてもトーナメントも優勝しなくてはならないのです。







そそくさと決勝へコマを進めたホトケに挑むは、ストライクキッズ


プリチーなホトケファン「ストライクキッズといったら、昨年の新人王でありながら京阪No.1ピッチャーとの呼び声たかいエース・ホンマくんが率いるチームじゃない!これは厳しい戦いになりそうだわ♡ミツイくん・ニシオカくん、そして好調カシワギくんなどの強力打撃陣の活躍が必須よ!」



おや、お嬢さん。なかなかお詳しいですね。



しかし、今回に限ってはそれは当てはまらないのです。


よし、このカワユイお嬢さんに説明して差し上げろ!



フナコシ「いいでしょう。ここからは京阪最高のスコアラーである私が説明します。

投手力が高いキッズですが、実はエース・ホンマが前日のリソシス戦で先発したため、今日は投げる方はお休みなのです。たとえ投げたとしてもいつものようなキレのある球は投げられないでしょうね。

対照的にホトケは前日、安心と信頼のブランド・ジャスティス相手に谷間のピッチャー・ナカムラをあてることで万全の態勢です。

噂によれば、ホンマが投げるときと投げないときのキッズの勝率の差は1番・荒木、2番・井端 の時とそうでない時の中日ドラゴンズの勝率に匹敵するとも言われています。

油断しなければ確実に勝てる相手ですよ。」






『油断しなければ…』





最近、気が緩みがちなホトケは、果たして力を発揮できるのであろうか





試合当日



キッズベンチには2,3人しか人影が見えないにもかかわらず、すでに10人揃ったホトケは試合前の練習に勤しむ。



ミツイ「ウツノミヤ!バッティングピッチャーやれ!」



ウツノミヤ「なんで僕なんですか。面倒ですね。そういうのはナカムラ兄さんに頼んでくださいよ。」




カキーーーン




カキーーーン





ミツイが痛打連発




カキーーーン




カキーーーン




カシワギシャクサキヤマ神も痛打を連発




スカッ




スカッ





ニシオカが空振り連発



ニシオカ「なんやこれ!?ウツノミヤのボールが全然打てねェ!!絶不調や!!」



ウツノミヤ(心の声)「ゲヘヘ。俺の腐った根性を反映したナチュラルに沈むストレート』にニシオカの野郎もタジタジだぜ。普段えばってるけど、俺にかかればこんなもんだぜ。ゲバシャァァアア。」





お馴染みの先攻で試合開始。


すると、プレイボールのサイレンが鳴りやまないうちに先ほどまで空振りを連発していた1番・ニシオカが初球を振りぬき左中間への痛烈な2ベースヒット



さらに続く2番・カシワギがレフト前ヒットを放つと、2塁走者ニシオカはノーアウトながらも一気にホーム突入!



カシワギの復調で生まれた『真・アニメイト打線』の活躍で早くも先制!






と、思いきやレフトからの鋭い送球でホームタッチアウト


俊足ニシオカもこれは自重すべきだったか。




しかし流れは止まることなく、ハラケイの影分身ミツイのサードゴロ内野安打で満塁とする。



ここでバッターはシャク



シャク「最近、カシワギのクソ野郎に打率を抜かれて夜も眠れません。いつかあいつの家にあるマンガを全部燃やしてやりますよ。」



激しい1年生の覇権争いが、彼らのハングリー精神を呼び覚ます。




だが!ハングリー精神がたぎっていたのは3塁走者のカシワギとて同じこと!



相手キャッチャーに第2リードの隙をつかれてサードへ牽制されるもこれが悪送球となり、ラッキーなホーム生還



神童が神童たるゆえんを見せつける。



さらにシャクの打球がショートエラーを誘い、2点を追加。




初回に3点を奪う幸先よいスタート。




さらに2回


先頭のドイが力のないピッチャーフライに倒れ、



「僕なんてクズですよ。御所で凍え死ぬべき人間です。」



と鬱にはいるハプニングが起きるも



サキヤマ神がお得意の『ホームラン級の2ベース』でチャンスを作る。




しかし、続く9番・ウツノミヤはサードゴロに倒れてしまう。


ウツノミヤ「くっそ。しょうもないゴロや。死ぬべきはドイではなく俺かもしれんな。」



鬱にはいりかけるウツノミヤ






だが、今日はこの男が覚醒していた!






???「何を言ってるんだい!?これが良いんじゃあないか。君がサードゴロを打ったことが良いんじゃあないか!死ぬべきだなんてとんでもない。」









ニシオカ無駄無駄無駄無駄無駄


無駄ァーーーッ!!」





本日2本目となるヒットは見事にセンターへはじき返すタイムリーヒット
サードゴロの間に3塁へ進んでいたサキヤマ神が悠々と生還。






さらに5回には



先頭バッターのウツノミヤが捨て身タックルで出塁すると、再びニシオカ




ニシオカ「まさかまた僕と勝負する気ですか?今日の僕を抑えられるとでも思っているのですか?忠告は一度しか言いませんよ。二度言わなくちゃあならないってのは、相手が頭が悪いってことだからです。無駄だから嫌いなんだ。無駄無駄…。





それでも勝負に来るキッズバッテリー!





カキーーーーン







試合前の練習での醜態はなんだったのか!?


1打席目から3連続ヒットで猛打賞の大活躍!






さらに


カシワギ「へっへっへ。今日は特殊能力『真・アニメイト打線』に加えて、サキヤマ神とのコンビネーションで『神童っぽさ』にも磨きがかかってるんだぜ!」



カキン



打球はボテボテのファーストゴロ






のはずが、なぜか1塁ベースカバーがいない!




記録は内野安打となり、無死満塁の大チャンス





3番・ハラダさんがキャッチャーフライに倒れたことは置いといて、





1死満塁で4番・ミツイ



ミツイ「最近不調なんですよぉ〜〜。しかも僕って実は満塁打率0.200なんですよぉ〜〜。しかも、カブレラも不調なんですよぉ〜〜。そういう苛立ちから、ギータカを酷い目にあわせてしまったんですよぉ〜〜。YO〜〜YO〜〜。」





ボテーン


案の定サードゴロ




さらに最悪なのはミツイの鈍足は1つの打球でアウトを2つ与えうるということ


ホームゲッツーかと思いきや、またもや相手キャッチャーが悪送球

その間に1点を追加し、5回までに5点を奪う猛攻。







一方、守備では


昨日のジャス戦でナカムラ兄さんの尻拭いのために1イニングを投げることになったシャク



そのせいで球にキレがない、と嘆いていたものの投球内容は次期エースとして相応しいものでした。





ところがところが、



ショートの名手・イケダが不在のため、なんだか内野がちくはぐでした。






初回こそ、セカンド・ハラダショート・ドイが華麗なゲッツーを決めるものの、




ハラダさんがなんでもないセカンドゴロを悪送球




さらに、サード前方へ上がった小フライに対して



ウツノミヤ「よっしゃ!もらった!ニシオカのダイビングキャッチャーフライがなんぼのもんじゃい!俺だってできるわ!」



ニシオカ「やめておけ!あれは素人には無理だ!」



案の定、ボールを捕球することなく自らの肢体を御所へと叩きつけるウツノミヤ





さらに、落球したボールをニシオカが拾って一塁送球するも悪送球となり、ボールはファールグランドへ。



マキノ「僕がライトでよかったですね。これぐらいの悪送球は僕の俊足があれば余裕で追い付けますよ!」



しかし、野球の神様は奢り高ぶるものへ容赦しない。それがたとえ初心者だろうとも。



マキノ「ブヘッ!!」



イレギュラーバウンドした球はマキノのあごに直撃。バッターランナーを3塁まで進めてしまう。







挙げ句の果てには、ただのサードゴロでも


ウツノミヤ「いっけぇーーー!!」





ドヒューーーン






ククッ







サキヤマ神「なんだこれは!?ボールが急激に沈んだ!まさか、これがニシオカが試合前に打ち損じていたナチュラルに沈むストレート』なのかぁ!!」



サキヤマ神が捕球できず、ランナーは3塁へ向かう。




すると、ショートのドイがすかさずベースカバーに入る!



…までは良かったのだが、なんでもないファーストからの送球をはじく。




ドイ「僕は来世でもクズですよ。極楽浄土へ行く機会は来々世までお預けです。」








と、このように拙い守備連携を披露するものの奇跡的に失点は1





このままなんとかなってくれ〜〜、と願う一同を尻目に








あの時間がやってきた









シャク「……。ッ…、ブルッ、…。ゾクゾクッ…、…。……ッ。ああ、もう駄目です。…あ、…あぁ、……。ア、アァッ












アァーーーーーーー!!











ドカーーーーーン







ここにきて持病の一発病が発症



2ランホームランで5−3にまで詰め寄られます。





すぐに点を取り返したいホトケですが、6回は下位打線から。


完全に目が死んでしまったドイのセンターフライ


代打のマウラがストライクのボールに捨て身タックルして三振になる、という奇術を披露してみんなを楽しませてくれるなど


無得点に終わる。







すると、最終回




遂にあの男が動いた!





フルタ「ガオーーーーーン!ガオーーーーーン!」




マキノ「なんだ!?フルタが警戒の雄叫びを上げているぞ!」



なんとそこにはマウンドに仁王立ちするホンマの姿が


ホンマ「これ以上、外野で黙って見てるわけにはいかねぇ。俺がホトケに一矢報いてやんよッ!」







あまりの威圧感に恐れおののくホトケベンチ。



だが、



???「大丈夫、心配するな。あいつは強がっているだけさ。昨日の登板のせいで、もうあいつには余力なんか残ってないんだよ。」




一同「あ、あなたは!?




フナコシ(汚物)「俺にはわかる。京阪リーグで唯一のホンマキラーである俺にはな。だけど、全力でぶつかってやんるだ。死を覚悟して挑んでくる男に対する、これは礼儀ってもんだぜ。」




汚物の予想は的中した。


もはやホンマには力など残っていなかった。





9番・ウツノミヤのピッチャーゴロを自ら悪送球すると、1番・ニシオカが捨て身タックル、さらには『代打オレ』でホンマキラー・フナコシが
打席に立つも結果は影分身





ハラダさんが三振したことは置いといて





1死満塁




4番ミツイ






ホンマ「ハァ…ハァ…、あと、あと2アウトなんだ…。」




ミツイ「ホンマ。お前はよくやったよ。厳しい戦力でよく決勝まで勝ち進んできた。だが、今のお前は本当のお前ではない。こんなボールはお前の本当のピッチングではない。…来年、またお前と一緒に野球出来ることを楽しみにしてるぜ。アリーデ・ヴェルチ!!(さよならだ)








ボカーーーーン








ダメ押しとなる2点タイムリー2ベース




その後キッズは意地で1点を返すも、そこで力尽きる。




7−4





こうして壮絶なキッズとの死闘に幕が下りた。






そして、その瞬間!!





我らがホトケのトーナメント優勝


が決定!








前期・後期リーグ制覇と合わせ


て三冠達成!






「活殺自在」

「鎧袖一触」

「快刀乱麻」

「完全無欠」



我々の活躍は、やがてホトケの黄金時代として後世に語られることでしょう








今日の英雄






ニシオカ



(3打数3安打2得点1打点1死球