夏休みの日記 『花火大会に行ったぞ!』

2年ひまわり組20番 みつい ひろた


ボクは8月10日に2年生のおともだちみんなと
ハナビタイカに行ってきました。


ギータカさんが行こうぜ!って言ってきました。


ボクはハナビタイカってなんなんか知りませんでしたが、

ホトケのイベントやし、たぶん野球っぽいイベント
なんやと思い、行くことにしました。


ボクは野球がダイスキだからです。


なにはともあれ、電車にのりました。


電車にのってると、世にもチンミョウなツラをしたウンチみたいなフナコシくんがのってきました。


ボクはフナコシくんがウンチみたいだからイヤですが、


先生が「みんなナカヨクしようね!」と言ってたので、


しかたなくナカヨクすることにしました。


シュウゴウの駅につくと、
反逆のカリスマ ニシオカくんや、
ごめんやっぱむりやわくんや、
ギータカさんとなっちゃんがいました。


ここでボクはみょうに変だな〜と思いました。


ギータカさんとなっちゃんが、

髪がソフトクリームみたいに大きくなってて、背中に鳥類の羽のようなものがついてて、クツがゲタみたいなかんじでした。
そんでゼンタイテキにエド時代のようなカッコウをしていたのです!


「オイオイ、そいつはいったいどういうことなんだい?」って、きいてみようかと思いましたが、


ノーマルタイプのときより42倍くらいかわいかったのでヨシとしました。


と、同時に、


「あのカッコウでは、力強いスイングや走るいすんのムリやから、
今日は野球イベントじゃない」


と、わかりました。ヘッヘッヘ。



シュウゴウバショに、いつまでたってもあらわれない人がいました。


ナカムラくんです。


みんな「またかよー。」と思って、うんざりしていました。


しょうがないので、ほっといてウジ川にいったら、
ナカムラくんがあらわれました。


「いやー、すんませんすんません」


と、言っていたので、イチオウゆるしてあげました。



ウジ川につくと、なぜか道にイスがあったのですわりました。


おなかがすいたのでヤキソバを買うと味がありませんでした。


まるでニシオカくんのカルボナーラでした。


しかも、ネダンが500円もするのでタチがわるかったです。



ノドがかわいたので、ビールを買いに行きました。


すると、なんと500円もしました!


「うひゃあー。500円もするんやし、さぞかしイイビールなんやろうな!」


と思い、ノンだらフツウのビールでした。


「日本も激しいインフレが進行しているのかな?」


と思い、日本経済の暗澹たる先行きに一抹の不安をおぼえました。


みんなでおしゃべりしてると、なっちゃんがこっそり


「おいミツイ。あんたわかってないわね。女の子がユカタ着てきたらほめるもんよ。ウフフ♡」


と、言ってきました。


ほぉー、このどことなく古風な服はユカタという名前やとわかりました。


そんでもって、キリッとしたハンサムな顔面をつくって、ぎーたかさんに言ってみました。


ぎーたかさん。ユカタ姿がきれいですね♡イッヒッヒ。


ボクはキマッター☆なんてカッコイイんだボクは☆と思いましたが、


ギータカさんは

「あぁ?なんだテメエ?やんのか?」

って目をしながら、鬼のような形相でボクをにらみつけてきました。

ギータカさんは喜びを素直に表せない照れやさんなんだと思いました。



その後は、ダラダラだべっていると、



ドゴォオオオン!



バゴォオオオン!



ズバーーーーン!



どこからともなく
誰かがすさまじいヒットを打った時の音や、
シャクくんのストレートがミットを鳴らす音が聞こえてきました!


「こんな真っ暗闇のなか、野球してるやつは一体ダレなんだ?ボクもナカマにいれてくれ!」


と思って空を見上げるとタイヘンなことになっていました!



色とりどりの様々な火花が、漆黒の闇夜を明るく、鮮やかに照らすことで、

えもいわれぬ美しさを演出し、観客の心を魅了していたのです!!!


ようやくわかりました!

これがハナビなるものの正体だったのです!


この驚愕の光景に


心の中に闇をもったニシオカくんや、キムラくんですら


「おぉー!スゲぇーなー!」


と、感嘆の声をあげていました。


花火が照らし出しているのは真っ暗な夜の闇だけでなく、

人間の暗く荒んだ心なのかもしれない…。


そんな風にかんじました。



45歳のナカムラくん


「うひょぉー。わしは25年前のあの夜を思い出すのぉー。」


と、若かりし頃の追憶にひたっていました。


25年前には、ナカムラくんもボクたちと同じように若く、
同じように楽しい青春の日々を送っていたのかもしれません。

1980年代後半、バブル経済真っただ中でのナカムラくんの青春時代。

いったいなにがあったのでしょう?


今度酒を飲みながら、話をきいてみたいと思いました。



かくいうボクは、ここはさっきのリベンジのチャンスなのかもと思い、


花火がきれいだなー。でも、ギータカさんの方がもっときれいだけどな。


と言ってみました。やったりましたよ。


しかし、花火の光に照らされたギータカさんは、


今までの笑顔が幻であったかのような


それはそれは恐ろしい顔をしていました…。


このとき、ボクはわかりました。


ギータカさんは照れ隠しをしていたのではなく激怒していたのです!


今度から、女の子のユカタ姿をほめるのはやめようと思いました。



しばらくのち、楽しかった花火も終わりました。


ニシオカくんフナコシくん


今日の花火大会はお前さえいなければキレイなものばかりだったよ。


と、言っていました。


言い得て妙な発言だと思いました。


信じられないくらい混雑した電車に乗ってお家に帰りました。

もう花火大会には二度と行きたくないと思いました。

この花火大会を生涯の思い出とすることにしました。

    


タイトル 『美女と花火


講評


普段の42倍の美しさであった2人を見事に描いている。

上空に鮮やかな花火が輝いているのも、2人の美しさを巧く強調している。 

小学2年生が描いたとは思えない官能的な作品である。







きれいなものばっかりのせたので、最後に汚いものを載せておきます。

吐き気を催す画像ですので、ご注意願います。