世にも奇妙な球物語 〜スヌ戦〜
テッテッテレレー テレレーテレレー♪
テッテッテレレー テレレーテレレー♪
こんばんわ、ストーリーテラーのニシオカです。
我々がホトケに加入してから、このチームには様々な奇妙な出来事が起こり続けています。
万年下位に甘んじていたチームが勝率9割以上で完全制覇したのはもちろんのことですが、
他にも
3回生に上がる時点で留年が確定したり
口癖が「ゲバシャア」になったり
助っ人に出した打率一割以下のプレイヤーにサヨナラヒットを打たれたり
挙句の果てには、女マネが7人も入ったりとその奇怪ぶりには驚かされるばかり。
しかし、一番奇妙なのは4番のミツイ。
昨年、その類い稀な長打力でホトケの『打』の核として活躍し続けたこの男。
今年の打率は0.300。
守れない走れない彼にとっては
「打つか打たないか」
これが全て、これが彼の野球なのです。
崖っぷちに立たされた男は一体どうなってしまうのでしょうか。
テーンテテーン♪
テ−ンテテーン♪
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
前々回のジャス戦、前回のリソ戦とまさかの連敗を喫したホトケ。
他のチームなら連敗ストップのために大きな重圧、不安、意気込みを背負って望まなければならないはずの一戦。
しかし、ホトケは違った。
この2年間で培ったのだ。
「これ以上は負けるはずがない」
「ただの不運が訪れただけさ」
それはまさに「勝者のメンタリティー」。「黄金の精神」。
勝つんじゃない。勝てるんだ。
強い気持ちを抱くことで発揮できる最高のパフォーマンス。
今日の対戦相手のスヌにはそれを跳ね返すだけの力がなかったのかもしれません。
初回
打率4割をゆうに超える至高のリードオフマン・ニシオカが華麗なセンター返しでヒットを放つと、
今シーズン打棒の急成長を遂げた名手・イケダがしぶとくセンターへポテンヒット。
さらに斎藤さん以来のホトケの左の長距離砲・シャクが影分身でいきなり無死満塁。
ここで打席には4番のミツイ。
今年、得点力不足の大きな要因としてあげられるが「初回の拙攻」
ミツイ「すんません〜〜。いつも無死2,3塁とか1死3塁とかメシウマな状況で打たせてもらってるのに、しょうもない内野フライですいません〜〜。」
守れない走れないミツイに、打てないが加わったらどうなってしまうのか?
もはやそこにあるのは人にあらず。
資源を浪費し、食料を貪るだけのただの肉塊。
相手投手がピンチを脱出して勢いに乗るためだけの噛ませ犬。
違うだろ!お前はそんなもんじゃない!
お前の欠点はドイツ語ができないことだけで十分だ!
ミツイ「ん?よう見たらあのピッチャー、ドイツ語の先生であるクラビッターに似てるな。」
カキーーーン
鋭い打球は3塁線へ!
まるで単位のようにするりと三塁手のグラブの横を抜けるタイムリーヒット!
ノーアウトで1点を先制すると
打ちそうで打たないフルタのサードゴロの間に追加点。
さらに打撃不振で6番に打順を落としているヴァギさんことカシワギもタイムリーヒット。
さらにはホームをレスして御所に住んでいるナカムラ兄さんのしょうもない内野ゴロがエラーを誘い2点追加。
初回だけでなんと5点を奪う。
さらに2回には
ランナーを2塁において再びミツイ
ドカーーーン
京阪ストライクであろう低めボールを見事にすくいあげ、左中間を深々とやぶるタイムリー2ベース。
2打席連続タイムリーを放ち2塁上でにやけるミツイ。
気持ち悪い!!
さらに6-0と大量リードにもかかわらず、4回の表にはホトケのロケットランチャーの装填が完了。
照準ヨーーーシ!
撃てーーい!!
シャク「ヒャッハーーーーー!!」
ドカーーーン
打球はセンター方向へ伸びる!
御所のセンターは異様に広いのだが
この男には関係ないのかァ!?
深々と突き刺さったーーー!!
第3号2ランホームラン
推定120メートルの特大アーチ!!
8−0とリードを広げ勝利を確信。
しかし、そのあともヒットを量産するホトケナイン。
1番・ニシオカ、2番・イケダ、3番・シャク、6番・カシワギの4人がマルチ安打。
さらに打ちそうで打たないフルタもヒットを放ち、打ってそうで打ってないウツノミヤにも安打が飛び出すなど打てや打てやの大騒ぎ状態。
さらに4番のミツイにいたっては…
ミツイ「これでとどめじゃーー!!」
カキーーン
なんと4安打2打点と大暴れ。
打率も一気に0.390まで急上昇。
結局、合計14本ものヒットが出て猛打再建。
大量リードに気をよくした主将はこんな粋狂までする始末…
シャク「勝ちの権利得たしもうええわ。マウンドから降りる。リリーフは…」
ニシオカ・ナカムラ「……(ドクンドクン)」
シャク「ウツノミヤ!!」
ゲバシャアアアアアア!!
バッティングピッチャーとして素質を磨き、薬学部のエースとして結果を出してきたウツノミヤが公式戦初登板。
」
ニシオカ「変化球はカーブだけか?」
ウツノミヤ「ゲバシャ。」
ニシオカ「四球を恐れずに思い切って来いよな。」
ウツノミヤ「ゲバゲバシャア!」
ニシオカ「……(ダメだ、通じない。)」
しかし、ニシオカの予感とはウラハラに意外に好投するゲバシャ。
5,6回と無失点で切り抜けると、
7回にヒット、フォアボールを2つずつ出して1点失うもそのままゲームセット。
見事初セーブを記録する。
8−1で快勝でした。
今日の英雄
ミツイ
(4打数4安打2打点)
シャク
(2打数2安打1本塁打2打点)
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テッテッテレレー テレレーテレレー♪
テッテッテレレー テレレーテレレー♪
ホトケの選手として崖っぷちに立ったミツイ。
しかし、彼は飛び降りることを選びませんでした。
自分の強い意思を取り戻したのか、はたまた仲間の声が聞こえたからか…
なんにしろ彼は再び野球人としてプレーすることができたのです。
む?
ジョーザキ「はぁ〜、こんなヒットが出た試合でも俺は4打数無安打かぁ〜〜。」
どうやら、また一人。
崖っぷちに立つ男が現れたようです。
テテテテン、テンテンテンテテーテー♪
チャララララ チャララララ
チャラララランラン チャララララーー♪
チャーーン… チャーーン… チャーーン…
チャンチャンチャーーン…
<つづく>