リベンジなるか!? 白熱のマジシャンズ戦
2年目のジンクスという言葉はマスコミのみなさんが作った言葉
僕には関係ない
宿敵オールウェイズに勝利し、前期リーグ優勝へ大きく近づいたホトケ。
しかし誤算だったのはその前のマジシャンズ戦。
エース・シャクを温存、攻守の要・ニシオカを欠く苦しい戦力で果敢に立ち向かったものの
我らが兄さんのフラフラな投球術と弟のサードが醜い守備などが災いを呼び敗北。
リーグ優勝のための目安としては「2敗」が限度。
さらに言えば、最も危険なオールウェイズには2戦とも負けても大丈夫、という状況を作っておきたい。
ゆえにこれ以上の負けはチーム状況の圧迫である。
もちろん
そんな概算など全く関係なく、敗北に対する悔しさは1週間経とうが10日経とうが消えはしない。
まずはマジシャンズをぶっ潰す。
それだけだ。
シャク「よっしゃ、お前ら!この悔しさを爆発させるためにリベンジの歌を合唱だ!!」
カシワギ「ボッコボッコにし〜てあげる〜♪」
ドイ「京阪中のだれ〜だ〜れより♪」
ウツノミヤ「ボッコボッコにし〜てやんよ〜♪」
ニシオカ「だからちょぉっと〜、直球(まっすぐ)投げてよね〜〜♪」
c.初音ミク
御所2番グラウンドのベンチ上で声たからかに歌うホトケの戦士たち。
彼らたちは1年間、筆舌に尽くしがたい激戦を潜り抜けて至上の絆を手に入れたのだ。
ジョーザキ「おはようございます!みなさん元気ですね!」
そこへ現れたルーキーのジョーザキ。
我らがホトケに加わったニューカマーの登場に一同が振りむく
とそこで、
信じられないミステリーが!
モリ「ワッツ ハップン!! アンビリバボー!!」
フルタ「ガオン?ガオガオガオーン。」
(どうしたってんだ?何も驚くことなんてないじゃあないか。)
慌てふためくモリと冷静なフルタ。
ジョーザキを間に挟んだ2人の反応は明らかに違うものだった。
ハツネ「えっ?どういうことですか?わたし、気になります!!」
ミツイ「みんな!ジョーザキの右側へ移動するんだ!モリとフルタの明らかな相違点、それは立ち位置だ!」
ジョーザキ「うへへ。どうっすかねぇ、これ。イカしてるでしょ?」
なんとジョーザキの右側頭部にまったく髪がないではないか!
こんな状態ではいつ踊りだしてもおかしくはない。
シャク「お前、ベンチな。」
こんなDQNが野球出来るわけねぇ。
はたして、主将の判断の結果は…。
後攻ホトケは初回
先頭のニシオカが影分身で出塁すると、ワイルドピッチですかさず2塁へ。
すると2番・カシワギが久々の「神童っぽさ」を発揮し、セカンドエラーを誘う間に1点を先制。
真・アニメイト打線もかなり様になってきたようです。
しかし、その後はマジシャンズの堅実な守備に阻まれ、なかなか得点のチャンスを作れない。
ミツイの痛烈なレフトへの2ベース、モリの特大センターオーバーの2ベース、兄さんの老体に鞭打つ捨て身タックルなどが飛び出すも後続が続かない。
ウツノミヤに至っては2打席連続で痛烈な打球が守備の正面を突く不運。
結局4回までで1点しかとれず、だんだんと空気も重くなる。
それでも流れがホトケペースなのはこいつのおかげ。
そう、我らがエース・シャクヒデキ!
前回はベンチからただただ防戦の試合を眺めることしかできなかったこの男が奮起。
4回までをパーフェクトピッチングで相手を追い詰めることに成功した。
オールウェイズすらかつ完封する
いわんやマジシャンズをや
(抑揚形)
さらには途中からサードの守備に着いたドイが前方への難しいポップフライをスーパーダイビングキャッチするなどの好守を披露。
あの陰鬱なドイがこんな気迫のプレーをみせるなんて…
ロールパンナちゃんが嘘みたいな心変わりすんのもあながち作り話じゃないんかもな、などと皆がやなせたかしに思いをはせる中
ある男が異変に気付く。
イケダ「…。お、おかしい。今日は兄さんがファーストを守っているんだぞ?こんな異常事態で勝っているなんて…。…いや。それならまだいい。もっと異常なのは…。」
チラ、と視線を傾けるイケダ。
そこにはベンチにたたずむフナコシ(汚物)の姿が…。
ヤマグチ「む、むう…。たしかに、兄さんと汚物。このホトケ史上最大最凶の2大災悪が揃っているのに、こんなに相手が攻めあぐねるなんて考えられない…。嵐の前の静けさとしか…。」
ホトケナインの脳裏に最悪の事態がよぎる。
もしや、この試合は一波乱くるのではないだろうか?
もしかして、相手の手札は
『封印されし者の右足』
『封印されし者の左足』
『封印されし者の右腕』
『封印されし者の左腕』
『強欲な壺』
なんじゃないのか?
そんな不安は
現実のものとなって訪れる。
5回
エラーとフォアボールで1死1,2塁のピンチ。
次の打者の打球はセカンドへのゴロ、ゲッツーでチェンジ!
かと思いきや
セカンドから聞こえてきたのは謎のリズム
???「デンデンデデン、デンデンデデレデレ、デンデンデレッデ♪」
ジョーザキ「右ひじ左ひじ交互に見て〜♪右ひじ左ひじ交互に見て〜♪」
シャク「何やってんだてめーーー!!!」
踊るジョーザキはそのまま打球へ突進。
モリ「右…、」
ドイ「左…、」
フナコシ「右だー!」
なんとボールに向かって差し出したのは『右手』!!
当然グローブは左手にはめている。
ということは…
痛恨のタイムリーエラー!!
呆然唖然のホトケベンチ。
さらには内野ゴロの間にも1点を奪われ、逆転される。
残す攻撃はあと3回。
普段のホトケなら1点ぐらいすぐに追いつけるはず…。
だが、なんのバチがあたったのか打順は下位打線から、さらに選手交代で打力が大幅に減退していたためあっという間に最終回。
他のチームならこのままあっさりと試合終了となりそうなものだが、ここからはホトケが誇る強力上位打線。
1死後
打席にはここまで6試合連続マルチ安打の絶好調男・ニシオカ
ニシオカ「大丈夫だ!俺たちはピンチをチャンスに変える。さっきのリズムエラーだって、視点を変えれば武器になりうるはずだ!行くぜッ!」
ドッテドッドテ、ドッドテドドテ♪
ニシオカ「きり〜んすまっしゅ、オア、きりんれし〜ぶ♪」
きりーーーん
きりーーーん
キリンスマッシュ!!
カキィーーーン!!
一塁線を抜く痛烈なヒット!
同点のランナーが出塁する。
さらにはキャッチャーからの牽制が悪送球となり走者は得点圏へ。
カシワギがライトフライに倒れ2アウトとなるも、なおも同点のチャンスに。
バッターは頼れる男・シャク。
ウツノミヤ「よっしゃー!いったれ、リズムに、リズムに乗れぇ!!」
ドイ「みんなー!掛け声いくぜー!きりーーんすまっしゅ、オア、きりんれしーーーぶ!!」
一同「きりーーんすまっしゅ、オア、きりんれしーーーぶ!!」
きりーーーーん
きりーーーーん
きりーーーーん
シャク「ごめん。オレ、お笑いとかようわからんねん。」
ボテーーン
センターフライでゲームセット。
早くも今季2敗目。
残りはなんとしてでも勝とう!!